理事長ご挨拶
昭和42年に設立された「早期胃癌研究会」は、胃がんの多くが不治の病であった時代に、「転移のない胃がんを見つけて患者を救命する」ことを目的に発足しました。併せて、消化管がんの早期発見を目的とした研究を日常診療に結び付けるため、中央診療所(現 附属茅場町クリニック)も開設し、令和5年に55周年を迎えました。
医療を取り巻く環境は、この間に大きな変革を遂げました。55年前、外科手術で完治可能な転移のない胃がんを見つけるのが目標であった胃がんは、40年前に内視鏡治療が開発され、手技の改良などにより、約17年前から保険収載され、今では、早期に発見されれば、内視鏡治療が標準治療とされています。
胃がんの発生に関しても、ピロリ菌感染との因果関係が明らかにされ、除菌治療で胃がんの発生を約半分に抑えることが分かったことから、胃がんに対しては、早期発見・早期治療に加え、胃がん発生の予防として、除菌治療による胃がん撲滅にも取り組んでいます。
早期胃癌検診協会では、年間約1万5千人の方々の人間ドックや健康診断を行っています。質の高い、丁寧な検診を心掛け、身体の異常を的確に判断し、異常と診断した場合は、速やかに附属茅場町クリニックを受診いただき、診断内容の説明及び精密検査や治療の相談を行います。治療が必要な場合は、治療に適切と思われる病院を紹介しています。
私は、医学部卒業後、消化器内科に入局し、東京都立駒込病院の内視鏡科に長く勤務し、食道がんの内視鏡診断と早期食道がんの内視鏡治療をテーマに仕事をし、咽頭がんの内視鏡診断や治療も行ってきました。年齢を重ねても、食べることと喋ることは、最も失いたくない機能のため、当施設でも、食道がんや咽頭がんの高危険群とされるアルコール摂取にて顔の赤くなるフラッシャーと言われる方々は、内視鏡検査時に特に注意して観察し、病変の発見に努めています。
内視鏡検査は、患者さんのご要望に合わせ、苦痛のない鎮静下での内視鏡検査を行っていますが、上部内視鏡検査では経鼻内視鏡検査も行っています。大腸内視鏡検査では、がんに移行する可能性のあるポリープを切除しています。また、大腸内視鏡検査が難しい場合はCTを用いた大腸検査も行っています。最近、注目されている膵疾患に対しては、腹部超音波検査でスクリーニング検査を行っています。平成20年からは、保健師による「特定健診・特定保健指導」も行っており、健康診断の結果を参考に、メタボリックシンドロームに該当する方々に、生活習慣を改善するための指導をしています。
早期胃癌検診協会と附属茅場町クリニックは、がんの早期発見と予防対策に取り組む一つのチームです。色々な手助けはできますが、自分に合った元気で楽しい生活を得るためには、まず、自分の健康状態を認識すること必要です。是非、健康診断を受けて下さい。
公益財団法⼈早期胃癌検診協会
理事⻑ 門馬 久美子
公益財団法⼈早期胃癌検診協会
理事⻑ 門馬 久美子
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